※アニメマギアレコード本編13話より
消火器「」ブシャアアアア
マミ「くっ」
やちよ「ゲホゲホッ」
さやか「らしくないなぁ、弱い者いじめなんて」
さやか(いやほんとどういう状況なのコレ。人ひとり背負ってるお姉さんをここまで甚振るなんて杏子でもやらないのに)
さやか(とりあえず止めちゃったけど間違ってないんだよねこれ)
マミ「美樹さん…?」
さやか「まったく…探したんですよ、マミさん。こんな廃墟みたいなとこにいるなんて思わなくて」
マミ「そう…美樹さんなの?私を責めに来たのね。あなたたちには…償っても償いきれないことを、私は…」
さやか「マミさん?何言ってるんですか?」
マミ「私のことはいくら責めてくれても構わないわ。けどね…もう大丈夫なの」
さやか(いやまあ心配はしたけど責めるつもりはないんだけどなぁ)
マミ「最悪の事態は回避できるの。方法を見つけたのよ」
さやか「最悪の事態?」
灯火(紅茶おいしいにゃ~)ズズッ
マミ「ねぇ、鹿目さんは?近くに来てるの?そうよ…鹿目さんも呼ばなくちゃ。神浜市に…神浜市に来れば…魔法少女は救われる」
さやか「おーいマミさーん?最悪の事態がなんなのかとか紅茶すすってる子供とかそこの青のお姉さんがなんなのかとかいろいろと教えてほしいんだけど」
マミ「掴んだ希望の先には何もなかった…私たち騙されていたの!」
さやか「いやだからね?なにに騙されたとか教えてくれないと」
マミ「このままじゃみんな…絶望を振り撒く、魔女になってしまう!」カッ
さやか「マミさん!?」
ホーリーマミ「みんなが救われるの。その権利があるの」
さやか(なんかとんでもない事実が明かされた気がするけどダイナミックプロみたいな恰好になったマミさんのインパクトが凄くて話が頭に入ってこない)
ホーリーマミ「私が…絶対になんとか!してみせる!!」ジャギギギギ
さやか「マミさん!?」
カチッ
さやか(壁を覆いつくすほどの大量のマスケット銃。これから起こるのは恐らくアレによる一斉射撃)
ドンッ
さやか(その圧倒的な暴力と死の予感のせいか、撃鉄が叩かれるのがすごくゆっくりに見える。抵抗しなければ―――あたしと青いお姉さんたちは間違いなく、殺される)
ドンッ
さやか(なにもかもがわからないけど、あたしが言えることはひとつ)
ドドドドドドド
さやか(これ絶対救いじゃないよね)
さやか「ぬおおおおおおらっしゃあああああああ!!!」
ガガガガ
さやか(いやマジで死ぬ!あたしマジで死ぬ!そんなに消火器ぶちまけたの気に入らなかった!?凄く煙かった!?それであんなに怒っちゃったの!?)
さやか「大丈夫お姉さ…」
やちよ「はああああ!」ズズズ
さやか(大量の槍が生えてきた!お姉さん凄い!誰だあの人弱いっていった奴!)
ドドドドド
さやか(槍とマスケット銃の激突!パッと見は互角!これなら凌げ)
大砲「」ガチャコン
さやか「それ(ティロ・フィナーレ)は人に向けちゃダメでしょ!!」
ドンッ
やちよ「くっ」
さやか「ぬおおおおおおお!!」バッ
さやか(こんなもん放っておけないっての!防げるか?んなもんヤケクソだオラァァァァ!!)
ガキン
さやか(うわ、重たい!熱い!強い!!まともに受けたら死ぬ!!)
ギリリリリ
さやか(逸らせ…逸らせ…ッ!)
ギリリリ
さやか(頑張れ頑張れできるできる絶対できる頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!
あっ腕もげたハイ再生!そこで諦めるな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張るどれだけ腕がもげようともさやかちゃんが挫けることは絶対にない!!)
ガキィン
さやか「どっせええええい!みたかあたしの底力ァ!」
ヒュー ズドオオオン
さやか(やっぱり人に向けて撃っちゃダメだってアレ!)
灯火「あっいっけなーい。ワタクシ、予定あるから。あとよろしく」
さやか「待ってよ!あたしまだなんにもわかんないんだから説明を」
やちよ「来るわよ!」
さやか「あの、説明を…チクショウがぁ!」
ズドドドドド
さやか(おかしい、絶対におかしい!あたしはただ消火器で邪魔しただけなのに!
なんで大好きな先輩がお釈迦様みたいになってあたしは銃撃されて腕もがれて身内で戦うハメになってんの!?)
さやか(救済だかなんだか知らないけどあたしまだ賛成も反対もしてないよね?
救済とやらの内容がアレなのは伺えるしたぶん反対するんだろうけど返事位は聞いてくれてもいいんじゃないかな!?)
さやか(ひょっとしてアレ?あの超弾幕に剣で対抗しようとしたから敵認定されたってこと?判定厳しすぎない?)
ピタリ
さやか(弾幕止んだ。いまがチャンス!まずは剣をしまって敵意がないことを示す!そしてマミさんに抱き着いてとりあえず銃撃を止めさせる!)
さやか「マミさぁん!」
リボン「」ベシィ
さやか「へばぁ!」
ズドドドド
さやか「あ、あぶっ、ぬおおおおおお!!」
さやか(思ったよりも思い切りぶん殴られた…ちょっとショックですよあたしは)
ズドドドドド
さやか(そして気が付けばあたしに集中砲火されてる…あの青いお姉さんたちが無事なのはいいけど…)
ドドドドドド
モクモク
ホーリーマミ「……」
さやか「マ…マミさん…」ゼーゼー
ホーリーマミ「」ジャキン
さやか(なに?マミさんってあたしのことほんとは嫌いだった?来たのがまどかだったらもう少し会話してくれた?)
さやか(だとしたらごめんね。でも、せめてハイかイイエの返事位は聞いてほしいかなって)
ドドドドド
さやか「はえ?」
さやか(なんかピンクの毛布みたいなのがあたしを庇ってくれた?)
ドッペル装着いろは「どうして魔法少女同士でこんなこと!魔法少女を救ってくれるんじゃなかったんですか!?」
さやか「またわからないことが増えた!」
ホーリーマミ「……」
ベシイ
ホーリーマミ「!」
さやか「触手がマミさんを弾き飛ばした!」
ドッペル装着いろは「やちよさん」
ドッペル装着やちよ「黙っていてごめんなさい。私もドッペルは使えるの」
さやか(こっちもか…ドッペルっていうのね、ソレ)
ドッペル装着やちよ「この力は危険よ。早く決着をつけましょう」
ドッペル装着いろは「はい、やちよさん」
さやか「あの、あたしに説明を…あっ、それどころじゃないですか。わかりましたすみません」
ズドドドドドド
さやか「わーすっごーい。和洋折衷お釈迦様VS怪獣鎧少女なんて映画でも中々見れないよ。でもさ、魔法少女ってなんだっけ?」
小さいキュゥべえ「モッキュ」
さやか「あれ、キュゥべえいたんだ。ちょうどよかった。ねえ、いまこの状況ってどういうことなの?」
小さいキュゥべえ「モッキュ」
さやか「いやモッキュじゃなくて。わからないならわからないでいいんだよ?ただわかるなら教えてくれると嬉しいなって」
小さいキュゥべえ「モッキュゥ」
さやか「あんたもあたしを除け者にするのかあああ!!」グイッ
小さいキュゥべえ「モキュゥ!!」ジタバタ
さやか「…あれ?キュゥべえなんか雰囲気違くない?心なしか、なんか全体的に小さく見えるような…」
さやか「あっ、ひょっとして子供?キュゥべえだって生き物だもんね。子供もいるわそりゃ」
さやか「じゃあこの子は喋らないんじゃなくて喋れないんだ。うわーなんか悪いことしちゃったなぁ」
さやか(うーん、でもどうしかして現状を知りたいし…あっ、そういえばほむらから受け取ったコレがあった)ゴソゴソ
さやか「タリラタッタラ~、暁美印のワ〇リンガル~(ダミ声)」
さやか(別れ際に渡された時は正直どうかと思ったけどまさかこんなところで役に立つとは)
さやか(まだ試したわけじゃないけどここまできたらダメ元でやってみよう)
さやか「よーし、それじゃあ鳴いてみて。そしてあたしに現状を教えておくれ」
小さいキュゥべえ「……」
さやか「…もしもーし。モッキュって鳴いてみてって」
小さいキュゥべえ「……」
さやか(黙りやがった…やっぱり解説したくないだけだろコイツ!いや、さっき怒鳴ったから拗ねたのかな)
小さいキュゥべえ「……」
さやか「くっ、子供なのに怒ってるのか嗤ってるのかもわからない…わかった。なにかあげるからそれでどうにか…」ゴソゴソ
さやか(…ない!なにもない!)
さやか「クッ、せめてジャーキーでもあれば」ゴソゴソ
ピラッ
さやか「あっ、この前四人で撮った写真が…」
小さいキュゥべえ「……」
クンクン
小さいキュゥべえ「」ペロペロ
小さいキュゥべえ「モッキュ」
さやか「えっ、キモい」
さやか(なんでいま写真舐めたの?あたしの身体から落ちたから?それとも写真のまどかが可愛いからそこばっか舐めてるの?)
さやか(なんにせよキモい。コイツ子供なのに筋金入りの変態なんだけど)
さやか(キュゥべえの奴どのツラさげて風呂に入ってきてたの?というか若い女の子に絞って契約してるのはそういうことなの?)
さやか(ヤバイ。意識したらもうあいつが口リコンのド変態にしか見えなくなってきた)
さやか「…って、それよりいま鳴いて…!」
ワウリンガル『この状況を説明するにはまずいまの銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ』
さやか「うわっ、ほんとに翻訳できてる。ありがとうほむら。…長くなってもいいから教えて。お願い」
小さいキュゥべえ「モッキュ」
ワ〇リンガル『お前もいずれ分かる時が来よう』
さやか「いずれじゃなくていまなの。いま知りたいの!」
小さいキュゥべえ「モキュ」
ワ〇リンガル『お前は物事を焦りすぎる…』
このキュゥべえ嫌い。そう思うさやかであった。
ガララララ
さやか「いつの間にか建物がこんなにボロボロに…これもうすぐ崩れるんじゃ…」
ズズン
さやか「ああっ、マミさんが巨大な岩に敷かれて穴に落ちていった!」
さやか「マミさ…うわっ」グラグラ
さやか「くっ、とにかくマミさんを助けに行かないと」
小さいキュゥべえ「モキュ」
ワ〇リンガル『爆発して死ぬのに?意味ないよ』
さやか「うぜえ!…ってああ!あのピンクの子がマミさんのリボンに引きずり込まれてく!待っててふたりと」
小さいキュゥべえ「モッキュゥ!」ゲシッ
さやか「たぱぁ!顔蹴られた!あっ、勢い殺されたから間に合わない!!」
小さいキュゥべえ「モッキュー!!」ヒューツ
ワウ〇ンガル『俺も参加していいですか?師匠…コキ』
さやか「なんなの!?あいつホントになんなの!?」
やちよ「いろは!」
さやか(あーヤバイヤバイ!とにかく向こうはマミさんいるしなんとかなると信じるしかない!今はとにかく助けられる人だけでも助けないと!)
ガバッ
やちよ「待って…いろは!いろはぁ!」
やちよ「約束したじゃない…死なないって…約束したじゃない…!」ガクリ
さやか(心苦しい…なんで…なんでこんなことに…!あたしはただマミさんを探しにきただけなのに…!)
さやか(とりあえず、わかったことだけでも伝えておこう)
??? 某所
ピロン
『マミさんが見滝原市怪光線お釈迦魔法少女になった』
『キュゥべえは口リコンのド変態』
ほむら「鹿目さん、これは…」
まどか「…わかってる。いま、さやかちゃんとマミさんが大変なことになってるって」
ほむら「えっ、まあ確かに大変そうだとは思いますけど、思ってたよりもベクトルが違うというかなんというか…」
まどか「さやかちゃんはこういう時に冗談は言わない。きっと、わたしたちが想像もつかない大きな事態になってるんだよ」
ほむら「そうかな…そうかも…」
まどか「行こう、ほむらちゃん。わたしたちも、神浜市に!」
終わり
引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1587395258/